五十肩

このところ、五十肩がらみのご相談が多かった。
ちなみに五十肩(四十肩も同じ)というのは医学用語ではなく、肩関節周囲炎の通称で、40歳から50歳代の人に多く発症することに由来する。

五十肩を発症した人の体を観ると、痛みや動かせないといった症状があるのは確かに肩周辺なのだけれど、それ以外にも頸や腰、内分泌系などに異常感があることが多い。
肩関節自体の問題というよりも、症状の出た部位がたまたま肩だった、と言えるかもしれない。

そして五十肩に限らず、この年代の方の不調は、”これまでのやり方”ではうまくいかなくなったことに起因することが多いように感じている。
体は老いの入口に差し掛かっているのに、若い時からの働き方や食生活、あるいは精神的な我慢などをずっと続けていて、体のどこかが悲鳴を上げる、というパターンである。

これまで気に入って着ていた服がある時急に似合わなくなり、年をとったと感じた経験は女性ならきっとあると思うが、それと似ているかもしれない。
もっとも、ファッションは鏡に映して見られる分、自分のことを客観視しやすいけれど、体のことは無理や我慢をしている感覚がご本人になく、「特に何も変わったことをしていないのに急に…」と言われることもある。

でもだからこそ、中年期の不調は”このまま進み続けると危険”という体からの貴重な警告だと思う。一度立ち止まり、生き方のシフトチェンジをするきっかけに出来れば、その先の老年期の大きな故障を回避できるのではないか、と感じている。