足湯とバケツ
以前、雪国に転勤した東京育ちの友人が「東京の冬は雪がなくて寒い」
と言っていたが、まさに最近は気温の低い日が多いところに
晴れて空気が乾燥しているので、寒さが体に堪える。
私は寒がりなので、朝晩冷えるようになる秋頃から春先までは足湯が欠かせない。
起きてから出掛けるまでに”足湯時間”を確保すべく、
毎朝バタバタしている。10分早く起きれば済むことなのだが…
整体における足湯(あしゆ)には、
「足湯(そくとう)」と「脚湯(きゃくとう)」があり、それぞれ
くるぶしが隠れるくらい、膝が隠れるくらいの深さのお湯に足を浸ける。
お湯の温度は少し熱め、「熱いけれど気持ちいい」くらいの温度を保つように、
途中で差し湯をしながら行う。時間は6,7分。
足湯は冷えにももちろん効果があるが、頭痛や喉の痛み、下痢など、
一見足と無関係に見える症状にもよく効く。
とりあえず足湯をしておくと楽になることは多い。
なお、「足湯」は首から上の症状、「脚湯」は首から下の症状に向いている。
施術を受ける方から、「○○の時はどうしたらいいですか?」と聞かれ、
足湯を勧めることも多いが、8割以上の方は話を聞くだけで
実際には試していない、ような気がする。別にそのことを責めるつもりはなく、
私も身に覚えがあるが、「どうしたらいいか」と他人に尋ねるときは、
その答えを聞いただけで何かしたような気になって満足してしまうものだと思うし、
もっと意外でドラスティックに症状が変わりそうな回答を欲しているのだろう。
それでも、しつこいようだが足湯はおススメである。
足湯は整体の部分温法の中でも使いやすく、適応範囲も広い。
使い慣れると便利で、自分でするだけなく、子どものちょっとした不調にも
対応できる。
「お風呂(入浴)ではダメなんですか」「カイロを貼ればいいですか」
と聞かれることがあるが、体の一部分だけを湿熱(カイロは乾熱)
で温める足湯とは全く効果が異なる。
そしてついでに、もう一つおすすめしたいのは、足湯バケツである。
私は長い間、自宅にあった一般的な縦長のバケツで足湯をしていた。
バケツの底面積が小さいので、どうしても”爪先立ち”のような体勢になるものの、
くるぶしは隠れるので、まあいいか、と思っていたのである。
しかし、数年前そのバケツが壊れたのを機に足湯バケツを買い、
足裏を底につけて、自然な体勢で座って足湯が出来るようになると、
これまでとは体のリラックス度合いが全く違うので驚いたし、
無理をしていたことを反省した。
だから、体に無理のない姿勢が取れればタライでも鍋でもいいのだが、
角型で大きくて邪魔かもしれない、と懸念していた足湯バケツ、
実はシーツなど大型の洗濯物の浸け置き洗いをするのにも適当で、
今では夏冬問わず活躍している次第である。